THYROID DISEASE
甲状腺疾患(バセドウ病・橋本病など)
甲状腺疾患とは
甲状腺の病気は主に3つのタイプに分けられます。ホルモンの分泌量に問題がある病気(機能亢進症・機能低下症)、甲状腺にしこりができる病気(腺腫様甲状腺腫、嚢胞、腺腫、がんなど)、そしてこの両方が組み合わさった病気です。ホルモンが多すぎる状態を「甲状腺機能亢進症」、少なすぎる状態を「甲状腺機能低下症」と呼びます。これらの病気の多くは免疫系の乱れが関係していますが、原因がはっきりしないケースも少なくありません。
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甲状腺とは
甲状腺は首の前側、喉仏のすぐ下にある臓器です。臓器としては小さくても、身体の新陳代謝や成長を調整する重要なホルモンを作り出しています。健康な状態では触っても分かりにくいのですが、病気になると首の前側が膨らんだり、触ると違和感を覚えたりすることがあります。甲状腺の働きは身体全体の活動レベルを調整するため、異常があると様々な体調不良につながります。
主な甲状腺疾患
バセドウ病
自己免疫の異常によって生じる抗体が甲状腺を刺激し、ホルモンの過剰分泌を引き起こす病気です。代謝が過度に活発化するため、じっとしていても動悸を感じたり、少し動いただけで息切れや疲労感を覚えたりすることがあります。眼球突出が代表的な症状として知られていますが、全員に生じるわけではありません。
バセドウ病の症状
- 首の前側の腫れや膨らみ
- 心拍数の増加や息切れ
- 落ち着きのなさや神経過敏
- 眠れない・体がだるい
- 手の震え
- 場合によっては目の突出や違和感
バセドウ病の検査・診断
血液検査で甲状腺ホルモン値が高く、脳下垂体から出るTSHというホルモンが低い場合に疑われます。さらに特殊な抗体(TRAb)の検査や超音波検査で甲状腺の状態を確認し、総合的に判断します。必要に応じて心臓への影響を調べる心電図検査も行います。
橋本病
バセドウ病と同じく自己免疫疾患の一種です。甲状腺の組織が少しずつ破壊されていくのが特徴です。最初は症状がなくても、徐々に甲状腺ホルモンが作れなくなり、身体の代謝が落ちてきます。特に40〜50代の女性に多く見られますが、最近では若い方や男性の患者様も増えています。
橋本病の症状
- 甲状腺の腫れに伴う首の圧迫感や違和感
- 代謝の低下(甲状腺機能低下症)の症状
- 発汗が減る、皮膚が乾燥する、寒さを強く感じる
- 便秘、徐脈、体重増加、むくみ、脱毛など
橋本病の検査・診断
血液検査では、甲状腺ホルモンの低下とTSHの上昇、さらにTgAbなどの自己抗体の有無を確認します。甲状腺が腫大しているかどうかを調べるためにエコー検査を行うこともあり、総合的に診断します。
甲状腺疾患の治療
甲状腺の病気は、さまざまな治療法がありますが、多くの場合、まずはじめに薬物療法から開始します。バセドウ病の場合は甲状腺の働きを抑える薬を使い、過剰なホルモン分泌を正常範囲に戻します。一方、橋本病で機能低下がある場合は、足りない甲状腺ホルモンを補充する薬を使用します。どちらも適切な量を維持するために定期的な血液検査が欠かせません。
治療を続けるうちに首の腫れが目立たなくなったり、動悸や疲れやすさなどのつらい症状が改善したりすることが多いです。ただし特に自己免疫が関わる甲状腺疾患は再発しやすい性質があるため、症状が良くなっても自己判断で治療を中断せず、医師の指導に従って継続することが大切です。